「こんにちは!真琉です」
「コトハじゃ」
「ここでは憑~ツキガミ~(以下ツキガミ)を手がけた竜庵殿が、ツキガミ完成に至るまでのあれこれを振り返るそうなのじゃ」
「しっかり反省点を出して今後の作品作りに活かしたいらしいぞ…と、こんな感じで良いかの?」
「大丈夫だと思いますよ」
「…ところで、ここを見てくれておるお主はもうツキガミはプレイしてくれたかの?」
「存在そのものがネタバレの者もおるし、しっかり最終章までプレイしてから読む方が楽しめると思うぞ」
「私の事も出て来るのか?」
「あ、ミコト様」
「言ったそばからこれじゃからな…もうわしは知らぬぞ」
「ほれ、真琉。こないだ買っておったカップアイスでも与えておくのじゃ。またしばらく静かになるじゃろ」
「えっ…さっきも食べてましたけど…」
「…もう1個食べますか?」
「…食べる」
「埒が明かないので、そろそろ始めるのじゃ!」
企画資料1
「ふむ、これが最初に作った企画資料のようじゃな。文字は企画段階で協力してくれたパトリシア殿が竜庵殿のアイデアを書きまとめてくれたものじゃ。別ウィンドウで開いておくと便利じゃぞ」
「元は座敷童のゲームを2015年のGW中に作るという所から始まったという事じゃ」
「全てはここから始まったんじゃなあ……」
「へぇ~っ…舞台設定は四国の山奥、というイメージは最初からあったんですね!」
「竜庵殿の祖父母の故郷らしいぞ」
「そっか…訪れた事がある場所のほうが舞台のイメージはしやすいですよね」
「座敷童といえば東北での話が多いのじゃが、作者本人的には四国の方が相性が良いと思ったというのもあるらしい。ちなみに、この企画段階ではまだ予定はなかった円教寺も、実際に行っておるぞ」
「シナリオの構成は、起承転結ベースで、出会い、楽しいこと、わらしきえるor別れ、そしてエンド」
「一応、コトハさんのシナリオのベースはぶれていないんですね。下の方にあるキャラ草案も、基本的にはコトハさんの生い立ちと似ているのでちょっと驚きです」
「その辺りを後から混ぜっ返すと企画が崩れてしまう恐れがあったんじゃないのかの。それにしても円教寺の縁起を知った後、このプロットに比較的綺麗に当てはめる事が出来たので、竜庵殿も驚いておったそうじゃぞ」
「ちなみに真琉の場合は、起承転結の転の部分が「真琉の病状悪化」、「ミコト様の祭での異変」辺りになるのじゃろうな。起承転結にあくまで準じたシンプルなシナリオ構成じゃ」
「「病状悪化」で私だけ死亡分岐2つもありましたよね…しかもランダム発生…」
「当初、毎日「旅館で過ごす」「神社に行く」が問われる予定が、フラグ管理が追いつかなくなって、冒頭の選択肢1つになってしまったという事じゃからな。イレギュラーを入れて少しでもゲームしてる感を出したかったんじゃなかろうかの」
「理不尽さは否めませんが…まあ、取り敢えずそれで納得しておきましょう」
「さて、次ですけれど」
「…GW中の企画だったんでしょう?数日で3シナリオ??って、ちょっと無謀じゃないでしょうか…」
「正確には3シナリオでは無いのじゃが、まあ後で話すかの。これを書いた頃は、GWもとうに過ぎて、もう大きなプロジェクトにしようと開き直っておったとの事じゃ」
「そうだったんですね。…ちなみに、この表のわらしは、コトハさんですよね」
「とすると、大きく描かれているのはコトハさんの原型でしょうか。最初は髪が長かったんですね」
「これは単なる座敷童の漠然としたイメージじゃからな。別にキャラデザという段階でも無かったそうじゃよ」
「その隣は…」
「…ホータイ?」
「…真琉の当時の仮称じゃな」
「…え…もしかして、この左の絵って、私ですか?」
「全身黒ずくめの包帯だらけ…なんか、痛い子オーラがそこはかとなく漂って来てるんですけど…」
「う、うむ…」
「当初はどこか寂しげな座敷童と、陰鬱・毒舌な病弱少女の2ヒロインをイメージしていたそうなのじゃ」
「それは、ちょっと暗い雰囲気が強いゲームになりそうですね」
「結果的に、真琉を少し明るい子にして、わしを影のある雰囲気にして対比を取ったらしいぞ」
「コトノハのどこに影があるんだ」
「チッ…もう食べ終わりおったか…」
「私の食欲を舐めるな」
「ふんっ、底なし胃袋め。…とにかく、よく見るのじゃ。影のあるキャラというのは修正されて、キャラ草案の所に、ちゃんと達観系キャラに移行させておるじゃろ」
「……達観」
「その笑いのセンス、もっと伸ばすべき」
「なんじゃとっ」
「まあまあ……」
「そんな事より……話はある程度聞いていたが」
「ではこの右端の式神というのは、私か?」
「…いいや、まだこの時点では影も形も無いのじゃ」
「座敷童としてのわしの設定が、まだブレていた頃じゃからな。式神(護法童子)という設定で確定するか決めあぐねておった名残じゃろう。迂闊に式神のような「呪術的要素」を入れてしまうとチープなファンタジーになってしまう為、そこは恐れておったようじゃな」
「そうなのか」
「オトの存在は、ミコト様の祭という設定が真琉に与えられてから現れ始めるのじゃ。その後、わしと共に護法童子という設定が加わり、ようやくお前のキャラクターも考えられ始めるという事じゃ」
「ちなみに、最終章を書き始めたのが11月10日らしいからな。紹介はまだまだ先だと思うぞ」
「そうか……では寝て待つ。私が紹介されたら起こせ。…ぐう」
「あ~、ミコト様。そんな所で寝ていたら風邪を引いてしまいますよっ!」
「では次回「キャラメイク」を楽しみに待つのじゃ~!」
おさらい
- シナリオは起承転結に沿ってざっくりと考える。
- 身の丈にあったシナリオ規模を決める(起承転結がそれぞれ1万文字ずつ、という風に具体化するとスケジュール管理もしやすくてGOOD)
- キャラの根本的な属性、キャラの印象を確定付ける決めシーンだけは早期に決めておく。細かな設定は後から詰めればいい(最悪、書きながらでもどうにかなる)
- ヒロインはバランスを考える(詳しくはキャラメイクにて)
- 含みのある程度のファンタジーか、ガチファンタジーかの案配はとても重要。世界観に深みを持たせる為の形而上的な要素が、バランスを間違えるとあっという間に異能バトルものに
- 迂闊にランダム要素を入れるのは危険(その昔プリズマティカリゼーションというゲームでは「雨が降る」というランダム要素がフラグ管理に影響していた為、難易度を著しく高めていたケースも)
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